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格安物件購入前に
知っておきたいこと

空き家の中には、0円物件や格安物件と呼ばれるものもあります。「安いからお得!」と思って飛びついた結果、想定外の費用がかかり、住める状態にするまでに時間もお金もかかってしまった……というケースは少なくありません。

ここでは、空き家を購入する前に知っておきたい注意点や、よくあるトラブル事例、そして失敗しないためのチェックポイントをまとめました。

よくあるトラブル事例

雨漏りや屋根の損傷

購入時には気づかず、住み始めてから雨漏りが発覚。屋根の葺き替えや補修に数百万円かかった例もあります。
対策:天井や壁のシミ、軒裏の状態を確認。できれば専門家に調査を依頼しましょう。

シロアリ・床下の腐食

長年放置されていた空き家では、床下の湿気やシロアリ被害で柱や基礎が弱っていることがあります。
対策:床下点検口から内部を確認。シロアリ駆除や防湿工事の費用も想定しておくこと。

インフラが整っていない

上下水道が未整備で、浄化槽の新設が必要になるケースも。電気容量が足りず、大規模な配線工事が必要になることもあります。
対策:水道・電気・ガスの状況を事前にチェック。自治体や管理会社に確認しましょう。

法律や制度による制限

用途地域や景観条例などで、リノベーションや活用方法に制限がかかる場合もあります。
対策:購入前に自治体窓口で法令等の決まり事を確認し、建築士や行政書士に相談を。

見落とされがちな「諸費用」

購入価格が安くても、税金や手続きの費用は必ず発生します。ここを考慮していないと「想定外の出費」に驚くことになります。

登録免許税

所有権移転登記を行う際にかかる税金。固定資産税評価額に対して課税。

不動産取得税

購入から半年〜1年後に都道府県から請求される税金。特例で軽減される場合もあります。

固定資産税

毎年1月1日時点の所有者に課税。築年数が古くても土地の広さによっては数万円〜十数万円かかることも。

登記費用

司法書士への依頼料が必要になるケースが多いです。

仲介手数料

不動産会社を通す場合、購入価格に応じて上限が決まっています。

その他

印紙税(契約書)、火災保険料、引越し費用など。

物件が「0円」であっても、これらの費用は必ずかかるため、数十万円単位の初期費用を見込んでおく必要があります。

失敗しないための工夫

  • 専門家による建物調査を依頼する

  • 諸費用を含めた総額シミュレーションを事前にしておく

  • 見積もりを複数の業者から取る

  • 自治体の補助金・助成制度を調べて活用する

  • 将来の活用目的(住む・貸す・事業利用する)を明確にして選ぶ

空き家は価格だけで判断すると、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。
特に「税金や手続きの費用」は見落とされがちですが、購入価格が安くても必ず発生します。

購入前に十分に調査し、必要な費用をあらかじめ見込んでおけば、空き家は暮らしや事業に活かせる大きな資産となります。リノベーションによって理想の住まいを実現したり、地域とのつながりを育みながら新しい生活を始めたり──工夫次第で、空き家には大きな可能性が広がっています。

「安さに惹かれる前に、まずはチェック!」
これを合言葉に、空き家探しを進めてみてください。

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