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歴史のある
古民家を蘇らせる

空き家バンク登録物件の中でも人気の高い古民家ですが、歴史があるため状態が悪く改修が必要になるケースも多いです。

改修の際は、「古民家の魅力を活かしながら、安全かつ快適に使えるようにする」 ことがポイントですが、状態が悪い場合、予想以上に改修費用がかかりすぎる、改修後にトラブルが起こるなどのリスクもあります。

ここでは、古民家を蘇らせた先輩たちが行った失敗しないためのステップやポイントをまとめました。

改修前にやるべきチェックリスト

古民家の状態が悪い場合、どこを優先的に改修するべきか、しっかりチェックすることが重要です。専門的な知識が必要になる部分があるので建築士などの専門家に依頼することをオススメします。

構造の安全性チェック(最優先)

  • 基礎はしっかりしているか? → 傾きや亀裂がないか確認
  • 柱や梁が傷んでないか? → 空洞音・シロアリの痕跡・湿気ダメージがないか確認
  • 屋根は雨漏りしていないか? → 屋根材や外壁に亀裂、室内に雨染みがないか確認
  • 耐震性能があるか? → 耐震診断により耐震基準を満たしているか確認

これがNGなら…

基礎や屋根、耐震性ダメなら、改修費用の大幅な増加が予想されます。
部分的な改修(柱の入れ替え・金具補強)で対応できるかを専門家に相談。

改修の優先度を決める

古民家の魅力を残しつつ、安全で快適にするために、以下の優先順位で改修を進めます。

最優先(構造系・安全確保)

  • シロアリ・腐朽対策 → 被害が進むと補修費用が増大
  • 屋根の補修 or 葺き替え → 雨漏りがある場合、優先的に対応
  • 耐震補強 → 倒壊を防ぐため柱や梁の補強、耐震壁を設置

【ポイント】

・古民家の梁や柱は太くて丈夫なことが多いので、補強すれば長く使えるかも

・既存の土壁を活かしつつ、耐震補強用の筋交いを入れると安心

・木の質が良ければ、「現代の新築よりも強度がある」場合もある!

中優先(快適性・ライフライン)

  • 水回り(キッチン・トイレ・風呂)の更新 → 使い勝手を良くする
  • 電気・配管の交換 → 老朽化している場合が多いので必須
  • 気密・断熱性能を向上 →断熱材やサッシの交換で、暑さ・寒さ対策が必要

【ポイント】

・水回りを古いままにすると使いにくいので、現代の設備を取り入れる

・外観の雰囲気を壊さず、内装や設備だけモダンにする方法もアリ

・よく使う部屋のみ気密・断熱性能を向上させることでコストダウン

後回しでOK(デザイン・装飾)

  • 壁の塗り替え(漆喰・珪藻土)
  • 床の張り替え(無垢材 or 既存の板を再利用)
  • 古民家らしい照明・インテリアの調整

【ポイント】

・デザインよりも、まずは住める状態にすることを優先する

・既存の素材をなるべく活かし、「味のある」リノベを目指す

改修費用を抑えるコツ

自治体の補助金を活用

  • 「空き家活用」「古民家再生」の助成金 → 最大100万~300万円支援される自治体も
  • 「耐震補強の補助金」 → 耐震改修で補助を受けられることがある
  • 「移住促進支援」 → ゲストハウスとして活用するなら対象になることも

【広島県内の補助金例】

・「空き家バンク」 で購入し、改修費用の補助を受ける

・「地方創生・移住支援補助」 を利用して資金を確保

補助金一覧

リノベーションでコストを抑える

  • できるだけDIYで仕上げる(塗装・簡単な床貼り・内装)
  • 古材・再利用できる素材を活かす(梁や床板を活用)
  • 水回りはできるだけ現状の位置で使う(配管工事を減らす)
  • 大工さんの知り合いを探し、地元の業者と相談する(地元の工務店は費用を抑えられることが多い)

【ポイント】

・「全部を新しくする」より、「使える部分は活かす」ほうがコストカットにつながる

・伝統技法を生かす職人に頼むと、無駄な工事をせずに済むことが多い

古民家の良さを活かす改修ポイント

古民家の「魅力」を残しながら、快適な空間にするための工夫。

木の温もりや梁を活かす

  • 梁や柱をそのまま見せる「表(あらわ)し仕上げ」 にする
  • 古材をテーブルや家具として再利用
  • 和紙や障子を活用し、古民家らしい雰囲気を残す

土壁・漆喰・無垢材で自然素材を生かす

  • 漆喰・珪藻土を塗り直して、調湿効果のある壁に
  • 無垢材の床を活かし、温かみのある空間を作る

【ポイント】

・「全部新しくする」のではなく、「時代の風合いを活かす」リノベーション

・古民家ならではの特徴(太い梁、土壁、和の雰囲気)を強みにする

古民家の場合は特に工務店や職人など専門家の技術が必要になることが多いので、しっかりとサポートを受けながら改修することをおすすめします。

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