建築士と二人三脚で 間違いない空き家探しを

・所在地が都市計画区域内か、都市計画区域外かエリア確認を
・基礎がしっかりしているか
・屋根、外壁など、どれだけ使える部分があるか
・建築士に依頼して物件選びのサポートを得る

建築士と二人三脚で 間違いない空き家探しを

広島市

【専門家】

「パッと見はいい物件に見えたけど、買ってみたら思った以上にリフォームが大変だった」。そんな残念な思いをしないで、みなさんに楽しく、空き家を上手に活用していただきたいもの。そこで今から物件探しから始めようとする方に、一級建築士の平田欽也氏にアドバイスをいただいた。

物件探しにおいて、まず知っておいてほしいことはありますか?

街づくりを助ける法律として都市計画法というものがあります。

これに準じて、都市計画区域、準都市計画区域、都市計画区域外、と大きく3つにエリアを分けています。

都市計画区域と準都市計画区域では、建築物を新築や増築、または大規模な修繕等を行う場合、規模にもよりますが建築確認申請や建築許可などが必要になります。また、建物の安全性や防火性能もいろんな制約がでてきます。例えば、古い民家は礎石の上に柱を立てて造られていますが、この建物を生かして増築する場合、既存部分の基礎もコンクリートで造り替えることを求められる場合があります。

また、都市計画地域・準都市計画区域外であっても、建築確認申請や建築許可などが必要な場合(例えば、民家を一定規模以上の料理店などに改修する場合)がありますので注意してください。

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空き家を見学するときのポイントは?

コストを掛けず、物件のオリジナル性を重視した暮らしを始めたい場合、屋根と外壁がどれだけ使えるかをチェック!修繕しなくても大丈夫な物件を選ぶ方がベターです。

特に柱や梁といった骨組みがしっかりしていて傾いていないこと。建具があちこち締まらない場合、建物全体が傾いている可能性が高いですね。

例えば、住まいを坪60万円で新築する場合、その内訳は概ね、基礎・骨組みに20万円、外装・内装仕上げに20万円、電気・給排水設備に20万円の割合になります。

つまり屋根、壁、基礎がそのまま使える場合、新築物件を建てる1/2〜1/3の費用が必要なくなるわけです。

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基礎を生かしたリフォーム例

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設備・電気などのインフラ取替

暮らしを快適にするリフォームとは?

1980年以降に建てられた物件は概ね断熱材を使用していますが、それ以前の古い建物は、断熱材が無いか、あっても現在のように高性能ではありません。建築基準法の改正で耐震基準なども変わってきていますので、建物の築年数を聞くことはとても大事です。日本の伝統工法である土壁や畳は断熱材代わりになることが知られていますが、隙間風対策をして天井裏に断熱材を敷き込むだけでもかなり快適になります。

あまりコストを掛けられない場合、床だけ張り替えることを勧めています。なかでも個人的におすすめしたいのが、床暖房。建物の雰囲気をかえずに快適に暮らせるようになります。これまで数々の住宅を手がけてきましたが、床暖房を設置された後、後悔されたご家族はいらっしゃいません。床の張り替え時に合わせやっておきたいのが、湿気(白アリ)対策。床下の地面にコンクリートを流すことで、湿気を防ぎ基礎をしっかりさせることで住まいの性能もアップします。

暮らしを快適にする理想のリフォームは、床・壁・天井の内装材を全て取り除いて、耐震補強、断熱改修、湿気(白アリ)対策を施し、同時に電気配線や給排水管といったインフラも更新しておきます。その後内装を施せば建物の快適性は新築と変わりませんし、建物の長寿命にもつながります。

広い住宅の全てをリフォームするのは大変ですが、生活エリアに重点を置いて暮らしやすくすることをおすすめします。

 

床暖房工事1

床暖房工事1

床暖房工事2

床暖房工事2

失敗しないために、何かいいアイデアはありますか?

失敗しない空き家選びをしたいなら、建築士に相談できるパートナーになってもらうことも一つの方法です。特に遠隔地から空き家探しをする場合、その地域の情報を得る力強いよい味方にもなるでしょう。リフォームは自分でしたい場合でも、空き家を選ぶ部分だけ手伝ってもらうことは可能です。全ての建築士がこういった依頼に応えるとは限らないので、HPなどを見て情報を収集し、問い合わせをしてみるのがおすすめ。手を挙げてくれた建築士に、第3者の目線であなたに代わって(あるいは一緒に)物件をチェックしてもらうと失敗が少ないと思います。建築士に依頼する、調査の内容・期間・費用を予め決めてからスタートするとよいでしょう。

先ほどお伝えした、建物のチェックポイントはもちろん、電気容量が足りているかどうか、ガスや水道、インターネットなどのインフラも、きちんと確認して専門家としてのアドバイスをしてもらえます。住まいのイメージを伝えれば、購入前にリフォームにかかる、ある程度の概算費用も知ることができます。

空き家選びを手伝った建築士が信頼でき、相性も合うようなら、引き続いてリフォームの設計を依頼するのも一つの方法です。自分たちの理想の暮らし方に合った改修ができるので、結果建築士に依頼した方が無駄なく、費用が抑えられる可能性も高いですよ。

 

空き家を探されている方へアドバイスをお願いします。

空き家は、中心街近くの昔ながらの住宅地にも増えてきています。田舎暮らしも魅力的ですが、街の中に入っていくという選択も、私はありだと考えています。じっくり街を歩いてみて、そこで人伝いに空き家を見つけて暮らし始める人もいらっしゃいます。いきなりその街に決めるのはなあ〜思っている方は、古い戸建て賃貸住宅で試してみるのもよいかも。入居する時に大家さんにDIYの許可をもらう方も増えていると聞いています。

リフォームの方法もさまざま。ここまでしかできないだろうと、考える前に諦めないでくださいね。新築もいいですが、夢をかなえる一つの方法として、空き家活用も候補にしてみてもらいたいですね。

最後に平田さんのリフォーム物件を紹介します。

広島県の住まいづくりコンクールで特別賞を受賞されるなど、平田さんは広島を中心に活躍中の建築家です。施主さんのご要望にお応えして、さまざまな物件を手がけられています。ここではリフォームのヒントにできそうなアイデア満載の物件を2軒、ご紹介します。

 

■生涯住み続けられる家 可部の家

間取りと動線の工夫。フレキシブルな空間に

築25年の中古物件を購入しリフォームされた物件です。アレルギー症に悩まれているご家族のご要望に合せて、シックハウス対策として、建材をなるべく自然素材のものを選択するなど化学物質を最小限に抑える改修を実施。

子どもたちがどこにいても、コミュニケーションが取れるよう、廊下と階段をリビング内に取り込み、2階の気配も感じられるよう、小さな吹き抜けも配しました。

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■趣味を生かした家づくり 舟入川口町の家

建物本来の特性を生かして、楽しい空間づくりを

もともと事務所として利用されていた築15年の3階建て中古ビルを購入して理想の住まいにコンバージョン。ご家族は3人のお子さんと5人家族。全ての空間とつながるようキッチンを中心に置き、1階の事務所部分は、2階の床を取り除き親子で楽しむスポーツジムに変身させ、ご家族の希望であった回遊できる動線と遊びを実現させています。

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