仕事も暮らしも
”自分”次第

Interview

広島市安佐南区→北広島町

谷口準一さん あゆ美さん ご家族

#家庭菜園#山が近い#田舎暮らし

田舎暮らしの実現に踏み出せたのは、これからの不安より、楽しみを考えたから。 家族の笑顔も増えました。

コロナ禍で内食が急増したことから、農業への関心も高まりました。その影響で、話題を集める農家さん。共通点は、利益追求型農業ではなく持続的でワークライフバランスのとれた暮らしを実現していることです。北広島町の谷口さんは、何でもそろう街中から、自然の営みを生かしたバランスのいい暮らしにシフト。その経緯や田舎暮らしの魅力を教えていただきました。

—— 移住されたきっかけを教えてください。

移住する前は、広島市安佐南区に新築を建てて暮らしていました。もともと田舎で暮らしたいという夢を持ってましたが、具体的に考え始めたのは、私の父親が終の棲家として田舎に家を持ちたいと言い出したときからです。

父親には「ふるさと」といえる土地がなかったので、定年後に田舎暮らしをするため、広島県内に物件を探し始めました。私たち家族も一緒に物件を見て回り、これがいい!と思ったのが北広島町の空き家でした。

父親は広島市内で仕事をしているため、家を購入してからも週末のみ通って過ごす別荘的な使い方をしていたんです。私たちも一緒に過ごしていたところ、当初田舎暮らしを反対していた妻が「田舎でゆっくりするのもいいね」とポロリ。その言葉を聞き逃さなかった私は、そこから田舎暮らしを始めるために猛進しました(笑)

—— 移住前に不安はありませんでしたか?

広島市内に持っている住まいと新たに購入する住まいと、2つの物件で同時にローンを組むことができなかったので、まず広島市内の住まいを手放すことにしました。当初、広島市内の住まいに暮らしながら手放そうとしましたが、なかなか売れず苦労しました。そこで、父親に相談して北広島町の家に住ませてもらって、一旦広島市内の住まいを空き家にして販売することに。するとあっという間に買い手が決まり、引き返せない状態になりました。

私にとっては、願ったりかなったりの状況ですが、妻は不安しかなかったようです。その不安材料の大半は、子育て環境についてでした。私たちには幼い子どもが2人いるので、子育て環境に大きな不安を持っていました。保育園や幼稚園、小学校とどのような環境が整っているのか引っ越し前にはよくわかっていなかったんです。

—— その不安はどのようにして解消されたのでしょうか。

ここでの暮らしを始めてから、たまたま空きがあったので2人とも同じ保育園に通うことができたり、小学校にはスクールバスがあることがわかったり、一つひとつ不安に思っていたことを解決することができています。

動く前はわからないことが多くて「不安」でしたが、動けば解決できることが多く「安心」に変えていけると、実体験から学んでいます。

—— 住まい探しはどのようにして行いましたか?

インターネットを使って、広島県の市町が立ち上げている空き家・不動産情報サイトや「みんと。」もしっかり確認しました。

中でも、北広島町のサイトは、しっかりチェックしました。

北広島町の空き家バンクページは、とても細かく情報が掲載されていておすすめです。私が最も参考にしたのは建築状況(契約上の注意点)です。購入してからどのくらい改修にコストがかかるのか計算できるからいいですね。

私たちは、北広島町で気になる物件が見つかったとき、町役場に問い合わせをしました。そのとき、物件を購入する前に手続きをしておけば補助金を受けられることをはじめて知りました。

よくよく聞くと、市町によって補助金等の仕組みは異なるようで、物件を決める前に手続きをしなければ補助金が受けられないケースもあるようです。各市町のサイトで補助金制度について紹介はしていますが、探すのは結構大変です。気になる物件があったら対象の市町に一度問い合わせをしてみることをお勧めします。

—— 住まいのどこが決め手になったのでしょうか。

ネットで見つけた物件の見学日に、案内してくださった北広島町のご担当者さんが、ネットに掲載前の物件がありますよ、と今住んでいる物件を紹介してくださったんです。

平屋で駐車場も広い。いろいろ見学した中で、一番魅力的でした。空き家になって2年程度だったので、そんなに改修費用が掛かりそうになかったところもよかったです。妻も「ここがいいんじゃない」と言ったので購入を決めました。

父親が購入した住まいに一番近い物件だった、というのも決め手になっています。

—— 改修されたところを教えてください。

築100年を超える古民家ですが、3年前に屋根の吹き替えをされていて、改修する箇所は少ない物件でした。それでも、家の中心を支える柱が陥没していて、きちんと直るのか少々不安でした。修繕してもらったのは、地元の大工さん。古民家の改修になれている方だったので、基礎をコンクリートで固めて、ジャッキアップ。柱を持ち上げるだけで安定した住まいに修繕できました。

後は、土間に小上がりを設け、トイレや洗面台をリフォーム。浄化槽を設置しました。

これから手を入れていきたいのが納屋です。床を貼り換えて、薪ストーブを配したり、子どもの遊び場やカウンターを設置したり、家族でのんびりできる空間をつくりたいと考えています。北広島町は薪ストーブの設置にも補助金が出るんですよ。

—— 田舎暮らしはいかがでしょうか。

ここには2021年6月から暮らし始めましたが、2019年の11月ぐらいから父親の住まいで暮らし始めました。北広島町は冬の大雪は大変ですが、夏は涼しく、とても快適です。

ご近所さんはとても親切で、人見知りがちな妻も、すぐになじむことができました。保育園のママ友のお誘いで梅干しをつくったり、ご近所のおばあちゃんに味噌や漬物の作り方も教えてもらう約束をしたり、自然と輪が広がっています。「ゆっくりできる」と期待していた田舎暮らしですが、「前より忙しい」と妻は笑顔で話します。

私は勤め先を、林業に関わる地元企業に変えました。子どもの頃の夢が「自給自足」だったので、将来は、野菜を育てながら地元で生活の全てを賄えるようにしていくことが夢です。

 

—— これから田舎暮らしをしたいと思っている方にアドバイスをお願いします。

都会から田舎に移住すると、必ず「不便」はあります。それを嘆いても変えることはできないので、できることを数えていく方がずっと幸せです。それに、ないならないで何とかなるものです。

インドアだった娘が外で遊ぶようになったり、週1回の買い出しにしたことで無駄な買い物をしなくなったり、生活のリズムは変わりますが、メリットになることもたくさんあります。虫やカエル、蛇も恐れない、逞しい娘に育っています(笑)

妻はまだ不安だと感じることはたくさんあるといいます。それでも、毎日忙しく、楽しく過ごしています。

田舎暮らしが気になる方には、「ぜひ体験してみて!」とお伝えしたいです。田舎暮らしをお試しできる物件もありますので、そこからチャレンジするのもいいのではないかなと思います。