“好き”を仕事に

Interview

広島市→広島県江田島市

為政さんご家族

#DIY#リフォーム・リノベ可能#古民家#子育て#移住

江田島のみなさんとのつながりが移住を後押し。「食」を通じて、交流の輪がどんどん広がっています。

為政さんは夫妻でイベントの飲食販売をはじめ、ご主人の伸彦さんは移住に関するサポートを行っている「フウド」の館長を、妻の愛子さんは日本語クラブのコーディネーターをされています。2022年にオープンした「おおばらかぞくや食堂」で、移住後の暮らしや活動をお話しいただきました。

—— 移住のきっかけから教えていただけますか。

夫婦二人で外国人向けの下宿をやりたいねと話していましたが、現実を見るとそんなに資金もないし、都会では難しいと感じてアイデア止まりでした。でも視野を広げてみると田舎なら実現できるのではと気づき、広島市からそんなに遠くない範囲で検討を始めたんです。呉、東広島、吉田…と多くの外国人が暮らすエリアで候補をあげてみました。江田島はその中の一つで、実際に足を運んで相談してみることにしました。訪ねたのが空き家バンクの物件案内や移住に関するサポートを行っている「フウド」でした。対応いただいた方を通して、江田島の方々とのつながりがぐんと広がって、気が付けば、江田島のことが大好きになっていました。妻のお腹には新しい家族もいたので、人間関係をつくりながらまず暮らしてみようということに。下宿を始められそうな物件を見つける前に移住しました(笑)

—— 移住されてからの暮らしはいかがですか。

最初は、江田島市沖美町で暮らし始めました。子どもが生まれたとき、周囲に知り合いがいなくて不安でしたが、近所の方々が子どもを見てくださったり、野菜を分けてくださったり、畑を手伝ってくださったり、本当にありがたかったです。

暮らしていく中で大柿高校の近くに広い物件を見つけて、念願だった下宿(兼自宅)をオープン。たくさんの人と交わっていきたいという思いから「かぞく家」と名前をつけました。今は大柿高校の生徒を受け入れています。

—— 「おおばらかぞくや食堂」を始めたきっかけは?

「大柿高校の生徒さんが授業の一環で改修した空き家があるよ」と、地域おこし協力隊の蛇草孝介さんから話があったことがきっかけです。はじめは、近所の物件だったので見学してみようと気軽な気持ちで足を運んだんです。見てみると、外観をチョコレート色に塗って、内観は漆喰塗りや床の張替えがされている状態で…。正直、住むには少しハードルが高いように感じました。

見学して2~3日後、民泊ぐらいはできるかな~とぼんやり考えながらお皿を洗っていたとき、ふと「こども食堂」ができないかなと思い浮かんだんです。もちろん、一人ではできないので妻に話してみたところ「いいんじゃない」といってもらえたので、踏ん切りがついて、前に進むことにしました。

—— 始める前に手を加えたところはありますか。

イベントで知り合った県立広島大学広島キャンパスの江田島応援サークル「YELL」のみなさんにサポートしていただいて、食堂の運営のためにできるだけ掃除をしたり作業台を作ったり、照明をつけたりしました。

開設のために市の補助金を活用させていただき、空間を整えました。アジアンテイストが好きだと伝えたら、押し入れの扉に「アジアン」な絵を描いてくれたんですよ。

庭には、以前鯉を飼っていた水槽があるので、将来的には、しっかりした板を渡して、ウッドデッキでも造りたいなと思っています。

—— 「おおばらかぞくや食堂」の運営について教えてください。

ここは地元の子どもはもちろん、保護者、お年寄り、外国人や移住者の方々に利用していただき、多世代・多文化交流を楽しめる場所にしていきたいと考えています。だから名称もこども食堂ではなく「おおばらかぞくや食堂」。家族のようにみんなをつなぐ場所として定着させていきたいですね。

現在、月1回のペースで食堂を開いています。

食材は、こども食堂支援センターからコメや調味料をいただいたり、地域の方々から野菜や魚、イノシシ肉などを分けていただいたりしています。

料理は毎回5~60人分調理をしているので、「YELL」のみなさんがサポートしてくれて、本当に助かっています。

—— 運営してみていかがですか。

大変だと感じることもありますが、やりがいの方が大きいですね。

食堂を開くと、いつも一番乗りは、地域のお年寄りグループ。おいしかったとにっこり笑顔で帰られる姿を見るのはとてもうれしいことですね。2022年の12月には、外国人技能実習生の方々がこられました。「アットホームな空間で心地よかった。料理もおいしく、また利用したい」といっていただけたのでよかったです。

少しずつですが、ここがいろんな人が集う交流拠点になっていくことを実感できています。

将来的には、月に2回ぐらい開けるようになるのが理想ですね。

地域の方々にご支援いただきながら、がんばっていきたいです。

—— 休日の過ごし方を教えてください。

江田島は、海もあって山もある、自然豊かな町です。

冬は殻付き牡蠣のバーベキューがおススメ!江田島は牡蠣の産地なので、プリプリの牡蠣をたくさんいただいています!友だちも招いて、みんなでワイワイ。外食できるお店も少ないですが、庭先でバーベキューができるのは田舎ならでは!料理を持ち寄って、楽しんでいます。

夏場の楽しみは、思い立ったら海に行くことですかね。タオルと着替えを常時車に積んでいるので、いつでもGOできます(笑)

—— これから移住を考えている方々にメッセージをお願いします。

100点の物件を見つけるのはとても難しいことだと思います。こっちは譲れないけど、ここは我慢できる、など妥協点を見つけることが大事かな。それから、地域に早く溶け込むには、先手必勝、挨拶が肝要ですね。

空き家は賃貸でも「自由にしていい」と所有者から許可いただいている物件もあります。

不便さも、DIYをする楽しみに変えて、自分たちらしいスタイルを見つけてもらいたいです。

江田島の空き家探しや移住相談は「フウド」に、お気軽にご相談ください!

為政さんが館長をされている「コミュニティスペース・フウド」のサイトはコチラから!為政さんご夫妻が運営されている「かぞく家」のサイトはコチラから!