毎日がグランピング。人生で最高の環境で暮らしています。

北広島町の空き家バンクを利用して購入
購入費用340万円（リフォーム費用は別途）
想いをカタチにするため、北広島町でデザイン性の高い工務店さんを探した。
自宅兼事務所（株式会社フム：WEB PRODUCTION COMPANY）

北広島町

【住宅兼事務所】

広島の中心街からのアクセスがよく、山陰と山陽を結ぶ主要なルートの中心に位置する北広島町。京都市から移住してきた楳本（うめもと）さんは、小学校，中学校に通う２人のお子さんとの４人家族。移住のきっかけから住まい選びのポイント、暮らし方のモットー、田舎暮らしの魅力など詳しく伺った。

移住のきっかけを教えてください。

もともと私たちはキャンプなどのアウトドアが好きで、京都で暮らしているときも週末になると自然を求めて郊外に出かけていました。移住を考えるようになったのも、奈良の滝を見にいったのがきっかけです。滝を見た後、何をしようかと観光案内サイトを見ていたら、ふと「移住補助」という言葉が目に留まりました。詳しく見ると「移住で補助がもらえる」と知ってびっくり！これをきっかけに、今の生活環境を変えて田舎暮らしをするのもいいかもと、熱量の高いうちに、動き始めました。

どのようにして家を探されましたか？

せっかく田舎暮らしをするなら、実家のある広島県の廿日市から車で１時間程度の距離で候補をあげていきました。まず、「広島といえば瀬戸内海でしょ」との思いから呉市から見て回ることに。現地に行ってみましたが、インターネット環境が整っておらず断念。見学させていただいた御手洗は潮待ちの港町で、家々が連なって美しい景観を作っている場所でした。そこで港町はコンパクトな古民家が多いことに気が付き、せっかく田舎暮らしをするなら広い空間で暮らしたいと思って、広島県の北部を検討することにしたんです。予算に合った物件を探すうちに、北広島町と安芸太田町に絞られました。

物件を探す合間は、ブログやSNSを検索して移住者情報や空き家活用情報をチェックしていました。地域のキーマンのお話しは、とても面白く参考になりました。

移住先の決め手を教えてください。

県北は雪深いと聞いていたので、移住するにあたって一番過酷な状況を知っておくために、内覧はあえて雪の多い２月に行くことにしました。

安芸太田町を中心に、北広島町と合わせて２日間で回るプランを計画。ところが、いざ内覧日を迎えたら、町の方から「内覧を中止しませんか」と問い合わせをいただくぐらいの大雪に。それでも、行きますと決行！京都から安芸太田町に向かいました。しかし、道中が危険で物件までたどりつけなかったため、やむを得ず内覧を諦めざるを得ませんでした。

次の日に伺った北広島町では、町の方々で物件の周りをわざわざ雪かきをして待っていてくださいました。ぜひ見て欲しいという町の方々の思いが伝わってきて、感激した私たちは「住まいは北広島町に絞って探そう」と決意。補助金の手厚さを超える、温かな人との出会いが決め手になりました。

この物件に決めたポイントを教えてください。

北広島町でも数軒、空き家を見学しました。最終的に決めた物件は、10年ぐらい空き家だったり、交通量の比較的多い道路沿いに建っていたり、最初「ここはないな」と思っていたんです。でも、中に入ってみると、窓から美しい風景が目に飛び込んできました。

そもそも物件を決めるにあたって私たちが重視したのは、まず物件の価格や補助金などの費用面。次にその土地の持つポテンシャルです。内装や水回りは，リノベーションをしたら理想に近づけることができることを、京都で暮らしていた住まいをリノベーションした経験から知っていたので、あまり重要ではありませんでした。その点、採光や風景は変えることができないのでとても大切です。私たちは、冬は雪景色、春は桜並木と季節ごとに見える借景が気に入って、この物件の購入を決めました。

リノベーションをされたとき、大事にされたことは？

私たち夫婦は、アンティークやヴィンテージなど、歴史を紡いできたものを生かしていくことが好きなんです。もともとリノベーションを前提に物件探しをしていたので、家の古さは全く気になりませんでした。その分、力を入れたのが、リフォームを引き受けてくれる地元の工務店探しです。

京都の家も自分たちでリノベーションをしました。そのときは私たちが直接職人さんに意向を伝えてカタチにしてもらったのですが、なかなか思いが伝わらず苦労しました。そこで、今回は、デザイン性の高い工務店さんに想いをカタチにしてもらおうと思ったんです。ネットで検索して、見つけたのが八重製材所さんでした。この家のすぐ近くに事務所があって、それもご縁だと感じました(笑)

リノベーションでこだわったところはどこですか？

私たちは当初、水回りぐらいキレイになればいいか、と考えていたんですが、「雪国をなめるな」とばかりにご忠告を受けて、窓は全て二重サッシに。壁を取っ払って部屋を一繋ぎにしたんですが、広い空間を温められる業務用のエアコンを設置していただきました。寒い冬でも半袖Tシャツで過ごせるぐらい、あったかいです。

また、ちょうど移住するタイミングで大阪府北部地震があり、瓦が崩れた家をたくさん見たので、安全のため屋根も吹き替えました。

あれこれとお願いしていたら、人生で最高に暮らしやすい、快適な住まいになりました。

子育てや生活環境における不安はありませんでしたか？

子どもたちにはいろんな経験をさせてあげたいと思っており、我が家では子どものころから「世界を見なさい」といってきたので、移住は、別のところに住んでみよう！といった感じで特に不安はありませんでした。ただ、京都では府内指折りのマンモス校に通っていたので、全校生徒が６人というような少人数の小学校では難しいだろうと考えていました。北広島町は、1クラス20数名の学校に通えるので、教育環境は十分です。子どもにとっても、マンモス校と１クラスしかない小規模学校のいい面と悪い面を経験することは、価値観が広がるいい経験だなと思っています。

生活面も、ここはスーパーやコンビニ、病院、居酒屋など徒歩圏内に何でもそろっていて、京都よりも便利なぐらいです。広島市内の専門医にかかるときも、高速道路を利用すると短時間で行って帰れます。そんなに街に出かけることはないんですけどね(笑)

移住先や空き家を探されている方にアドバイスをお願いします。

田舎暮らしには、沢山魅力的なことがありますが、まず移住を考えた時に一番魅力的なことは、圧倒的な物価の安さと補助金の手厚さだと思います。

都会ではなかなか手に入れることが難しい広々とした空間の住宅が、田舎では土地も古民家も低価格で購入することができる為、初期費用が抑えられ自分たちの好きな家づくりがしやすいと思います。田舎では親身になって助けてくれる人たちがたくさんいるので、どんどん自分のやりたい事や困っていることを伝えると周りも一緒になって考え動いてくれるから、人とのつながりを大切にして暮らしていきたい方には、きっと自分たちに合った場所がみつかると思いますよ。

人とのつながりを大切にして暮らしていきたい方には、田舎暮らしをお勧めします。どのような暮らし方をしたいのかに合わせて物件を探していけば、きっと自分たちに合った場所がみつかると思いますよ。

最後に今後の目標を教えてください。

もともと私たちは、田舎ビジネスに関心を持っていました。移住前にお互いの思いをすり合わせたとき、インバウンドビジネスだったら私たちの経験を生かすことができるんじゃないかと話したんです。そのことを町の人に話していたら、夜神楽ツアーを企画することになりました。実際、海外の富裕層向けに田舎を独占するようなプランを考えたところ、有名な某ホテルも興味を持ってくれて、プレイベントを行うことに。ところが、直前になって新型コロナが流行して中止に。とても残念でしたが、コロナが収束したら実現できるように、水面下で頑張って準備しています。