仕事も暮らしも
”自分”次第

Interview

南米・パラグアイ→広島県世羅郡

ギブスさんご夫妻

#DIY#古民家#家庭菜園#山が近い#移住#農地付き

ご主人が憧れていた入母屋屋根の古民家で ゆっくり、のんびり、日本の田舎暮らしを満喫中です。

ご主人のお母さまが暮らすパラグアイから移住してきた、ギブスさんご夫妻。ご主人がずっと思い描いていた「日本の田舎で暮らしたい」という夢を叶えたのだそうです。移住して1年も満たないお二人に、古民家をどのようにして見つけられたのか、田舎での暮らしぶりなどを教えていただきました。

—— 世羅に移住される前の暮らしを教えていただけますか。

夫はイギリス国籍ですが、夫のお母さんは南米のパラグアイで暮らしています。私たちは、お母さんの介護を目的にパラグアイに移住しました。

パラグアイはヨーロッパの文化が色濃く残る国で、肉食が中心で量も多く、汗を流すのはシャワーで土足文化。海もなく、とても蒸し暑い国です。日本のような美しい四季はありません。夫はもちろん、私もオーストラリアで暮らした経験があるので、異文化に飛び込むことに抵抗感はありませんでしたが、なかなか馴染めず、暮らすなら日本がいいね、とよく話していました。そうこうしているうちに、お母さんを夫のお姉さんが面倒をみてくれることに。そこで、私たちは日本に帰国することにしました。

—— 空き家を探された経緯を教えてください。

夫が、日本が大好きなんです(笑)特に古民家が好きで、古民家の書籍を何冊も愛読しているほど。「こういう家に住みたい」と見せてくれました。そこで、どうせ日本で暮らすなら古民家にしようということに。

最初はネットを活用して、京都の山の中や山口など、地域は限定せず、いろいろ調べてみました。ただ、私が北海道で学生時代を過ごしたので、雪深いところはもういいかな~と思っていました。

世羅は、実家の近くなのでいいなと思っていたエリアで、古民家物件を見つけたので内見させてもらうことにしました。

—— 物件を見られたときの感想は?

コロナ禍だったので、世羅には私一人で来て内見しました。3軒同じような物件があったのですが、2軒はすでに交渉中で、残りの1軒がここでした。

内見した第一印象は、「リフォームしなくても住めそう」でしたね。ビデオチャットで夫にも見せたんですが、好印象のようでした。

空き家になる前は、3世帯6人で暮らされていたこともあり、駐車場が広くて立派!蔵も付いていて、畑になりそうな土地があったり、離れもあって隠れ部屋をつくれそうだったり、暮らしを楽しめそうなスペースがたっぷりあるところが、私たち二人とも気に入りました。

田舎は下水道があまり整備されておらず汲み取り式が多いのですが、ここは合併浄化槽にされていたので、私はそこが一番いいな!と思ったところです。

—— 物件のリフォームはされましたか?

母屋はまだ、手付かずです。住み始めて家が傾いていることがわかったので、近い将来、整えたいと思っています。後は、水廻りのパイプが、外にむき出しなので凍らないよう、寒さ対策をしたいとも考えています。

古民家なので隙間が多いため、思ったよりも冬は寒いです。私は、世羅から北に位置する吉舎が出身地で実家も古民家のようなものなので、寒さには比較的慣れていますが、夫はシティボーイなので、大丈夫かな~と心配していました。でも、蒸し暑いよりも、寒い冬の方が好きなようです。将来、薪ストーブとか付けて、寒い冬をもっと楽しみたいですね。

—— 実際、暮らしてみていかがでしょうか。

自然がいっぱいで、とても静かで暮らしやすいです。ご近所の方々にも、とてもよくしてもらっています。夫は人見知りしないので、挨拶するうちにすぐに親しくなったようです。

私は、ご近所さんのご紹介で週に1日、ご近所の「大見ふれあい市場」へパートに行っています。併設されている、お食事処「頭士亭」の打ちたて蕎麦が絶品で、夫はかなりお気に入りに!もともと和食が好きな夫ですが、週1回、蕎麦を食べるのが習慣になりました(笑)

世羅は、移住者の多い町です。カナダ人の方が経営されているブドウ農園もあって、見学に行ってみたいなと思っています。ご近所にある、先輩移住者が経営するカフェ・ルポにはよく行っていますよ。

—— 今後の夢を教えてください。

現在木を切って裏山の整理をしているんですが、来月からシイタケを栽培する予定です。

パラグアイには「木を1本切ったら、5本植える」という言葉があります。夫は、桃や柚子などの果樹を植えたいと考えているみたいです。私はご近所さんにおススメいただいた、ウドを栽培してみようかと思っています。農業法人にも加入して、お米の作り方を習ったら、自分たちで育て、半自給自足の生活をおくるのが理想です。

将来、家を修理して農家民宿を開くことができたらいいな~と思っています。

—— これから移住を希望する方にアドバイスを!

都会では上下水道があるのが当たり前ですが、田舎は来ていない家も多いものです。古民家を購入する前に、リフォームにどれぐらいかかりそうか、光熱費などの生活費にどれぐらいかかりそうか、計算しておくと暮らし始めて困らないと思います。

田舎暮らしは、「不便な暮らし」、「シンプルな暮らし」を楽しむことだと思います。実際、早寝早起き、昼寝付きで、とても健康的な毎日を過ごしています。洋服とかに対する、物欲もなくなりました。多少使いにくくてもOKというぐらい気持ちに余裕を持つと、自然と楽しめるのではないかと思います。