空き家本来のポテンシャルを生かしつつ オリジナリティあふれる空間をつくりたい

・売りに出される前から気になっていた物件
・購入費用800万円/リフォーム費用500万~800万円(徐々に手を加えたため概算)
・リフォームはできるかぎり自分で実施
・抜群のロケーションを生かしたゲストハウス(一部を除く)

空き家本来のポテンシャルを生かしつつ オリジナリティあふれる空間をつくりたい

三原市

【ゲストハウス(一部を除く)】

学校で建築を学び、関西の内装業で働いていた岡田さん。三原の賑わいに一役買いたいと、10年前にUターンして、実家の古道具店「岡田商事」を3代目として引き継ぐとともに、地元に増えてきた空き家に課題を感じ、大阪で身に付けた技術を生かして空き家活用に着手。ここ数年で、8軒のリフォームを手掛けている岡田さんに、空き家の魅力とこれからについて話を聞いてみた。

NEJIRO houseの物件との出合いを教えてください。

このNEJIROhouseは、海を一望できるロケーションと建物の造りに惚れ込み、売りに出される前から欲しいと思っていた物件です。持ち主に掛け合ってきて2年目、売りに出たため即購入しました。

もともとこの建物はお医者さんの別荘でした。ご家族が非日常的な時間を過ごす特別な場所だけに、海に向かって大きくとられた窓など、リゾート感にあふれていました。家の造りも個性的で、建てられた当時としてはかなりモダンなものだったんでしょうね。

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NEJIRO houseのリフォームポイントは?

このロケーションをゆっくり楽しんでもらうために、自身の居住空間を一部残して後は海の家のようなゲストハウスにしたいと決めてリフォームをスタートしました。

もともと大阪で内装業として現場で働いていたので、リフォームの大半は自分でやりました。壁の塗り替えなどの改修はもちろん、ドアや机なども手づくりしています。キッチンのタイル、造り付けの2段ベッドなど、生かせるものはそのまま活用しています。

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一番大変だったのは、シロアリに食い荒らされた部分の補強。思いの外、被害が大きかったので、修繕には時間もかかりました。お風呂など手におえない水回り部分は大工さんに手伝ってもらって、1年程度時間をかけて完成させました。

先に手がけた空き家を活用したカフェNEJIROcafeを運営しながらのリフォームだったので、かかりっきりにはなれず、アフターファイブから手を加えてきました。手づくりは趣味のようなもので、毎日の楽しみ。ゆっくり時間をかけて納得できるものに仕上げました。

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気に入っている場所は?

この建物の特徴は、なんといっても海に向かって取り付けらえた大きな窓。エントランスには昔の病院を思い起こさせるようなガラスを配していることで、空間全体が常に明るく開放的になっています。

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お気に入りの場所は、ウッドデッキと、2階のソファー室。瀬戸内海の穏やかな海を一望できます。共有スペースなので、ソファー室でのんびり読書を楽しんだり、ウッドデッキで日光浴したり、宿泊客は自由に利用できます。

利用客はご家族連れ、広島市内からのお客さまが多いですね。リピーターの方もたくさんいらっしゃいます。船で目の前の海まで来て、宿泊されるお客さまもいるんですよ。これは、海に直結している場所ならではですね。釣りを楽しまれる方もいらっしゃいます。NEJIROhouseには、釣竿を置いていますので自由に使っていただけます。季節にもよりますが、目の前の海で、メバルやイカが釣れますよ。

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岡田さんの今後の目標を教えてください。

NEJIROは、cafe、antiques、houseとありますが、現在8軒目を手がけていて6軒は完成。貸し出し中の物件はエステ店など、いろいろ活用されています。

古道具を引き上げるとき、「家も一緒に」といわれることが意外と多いんです。現在も5軒、相談を受けています。依頼主から言われることで一番多いのが「面白い家に変えて活用してもらいたい」という言葉。期待に応えていきたいですよね。

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目標は、三原の空き家物件を30軒リフォームすること。その後、三原と環境の似ているバルセロナでリフォームを手がけるのが目標です。その達成期限は、2020年!後3年ですが、実現のため、一歩一歩着実に頑張っていこうと思います!

空き家を自分でリフォームしたい方へアドバイスをお願いします。

私のリフォームに対するモットーは、「完璧でなくていい。古い家の個性を生かす、汚れてもいいと緩く考えること」。その分、自由度の高い空間ができているのではと感じています。

三原は比較的安い物件が多いので、購入してからどう活用するか考えてもいいと思います。それぐらい気持ちに余裕を持って、空き家を活用してほしいですね。古い家を自分の手で改築していくのは正直覚悟が必要。途中で挫折するのはもったいないですから、無理のないように、ご自分たちのペースで、楽しんでもらいたいですね。

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空き家物件を探している方へメッセージをお願いします。

三原市には、魅力的な空き家がたくさんあります。三原の町は、山あり、海あり、島ありで、いろんなご要望に合った物件との出合いがきっとあるはずです。私は「故郷が寂れていくのは忍びない」という思いから、三原の賑わい創出のため微力ですが、空き家コーディネーターとして、空き家見学のサポートも行っています。少しでも多くの空き家活用に関心のある方に、三原の町に訪れていただけるよう、さまざまな企画を実行していきたいと考えています。

三原の町をもっと住みよく、楽しい町、戻って来たくなる町にしていきたいですね。

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お問い合わせ先

三原市住宅対策課 TEL 0848-67-6187

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